ケーススタディ

AI検索の流入は、じわじわ来なかった。ゼロから月2,000へ、2か月で立ち上がった

先に結論

自社で運営する占いメディアのAI検索流入を、12か月分のGA4で振り返りました。きれいな右肩上がりを予想していたら、グラフはそうなっていませんでした。

AI経由(ChatGPT・Copilot・Perplexity)の月間セッションは、長いあいだ月に1〜4。ほぼゼロです。半年以上、その状態が続きました。それが、ある2か月で跳ねます。月207、翌月2,030。

GEOの成果は、毎週少しずつ積み上がる直線ではありませんでした。長く何も起きず、ある時点で一気にスイッチが入る。その実データを見ていきます。


AI流入の12か月、ほとんどが「ゼロ同然」だった

まず、AI経由の月間セッションを並べます。すべてGA4の実測です。

AI経由セッション
2025年6月1
2025年7月〜2025年12月月1〜4
2026年1月3
2026年2月3
2026年3月2
2026年4月207
2026年5月2,030

8か月以上、AIからの流入は片手で数えられる数でした。この時期にダッシュボードだけ見ていたら、「AI検索なんて来ない」と結論づけて、当然です。

ところが3月までの「2」が、4月に「207」、5月に「2,030」。ほぼゼロだった線が、二段ロケットのように立ち上がりました。


Bingも、総流入も、同じ2か月で跳ねた

AIだけではありません。流入の柱であるBingも、サイト全体も、同じ2か月で形が変わりました。

Bing経由総セッション
2025年8月586856
2026年2月122228
2026年3月382892
2026年4月6,3919,078
2026年5月18,48525,622

2月は月228セッションの小さなサイトでした。それが3か月後、2万5千。Bingは122から18,485へ。全部が、同じタイミングで立ち上がっている。 偶然ではありません。引き金がありました。

GA4実測 ── VEIL / masanosuke.net|月間総セッション 2025-06〜2026-05(5月は5/29時点)
4月 9,078 5月 25,622

引き金は「時間」ではなく「AIに読める形にしたこと」

正直に書きます。この跳ねは、放っておいて時間が解決したわけではありません。

立ち上がりの直前、サイトを静的HTML(AIが最初から本文を読める形)に作り替え、robots.txtでAIクローラーを通し、コンテンツを増やしました。そのあと、AIとBingが一気に拾い始めた。順番が、はっきりしています。土台がない時期は、何か月待っても月数セッションのまま。土台が整った瞬間に、跳ねた。

だから「待てば増える」ではありません。「AIに読める状態を作ると、ある時点で跳ねる」。VEILがやったのは、AIクローラーを通し、本文をHTMLに置き、問いに答えるページを増やす——この記事群で繰り返してきた、地味な作業でした(robots.txtの実物AIが送るのはツールのページ)。


初期の停滞で、やめないために

ここに、GEOのいちばん危ないところがあります。成果が直線で出ないので、立ち上がる前にやめてしまう。

月3セッション、月2セッション。その数字を2か月見たら、普通は撤退します。でもVEILの線は、そのあとに跳ねました。初期の停滞は失敗ではなく、助走だった。違いを分けたのは、根拠なく信じることではなく、正しい数字を見続けたことです。

GA4でBingとAIの推移を毎月見る。順位ツールではなく、参照元を見る(SEOツールには映らない)。そうすれば、跳ねの予兆——表示回数がじわり増える、Bingのインデックスが進む——を、立ち上がりの前に拾えます。


よくある質問

Q. GEOの効果はどれくらいで出る? 直線では伸びない。当社はAI経由が長く月1〜4セッションだったが、AIに読める形へ作り替えた直後に月207、翌月2,030へ跳ねた。初期が小さくても途中でやめると、この立ち上がりを取り逃す。

Q. AI流入が増えるきっかけは? サイトを静的HTML(AIが読める形)に作り替え、robots.txtでAIクローラーを通し、コンテンツを増やしたこと。時間ではなく、状態を整えたことが引き金。

Q. 最初の数字が小さいと、やめるべき? 判断が早すぎる。数か月ほぼゼロでも、土台が整った瞬間に跳ねることがある。GA4でBing・AIの推移を追いながら続けるのが安全。


最後に

8か月、AIからの客は片手で数えられた。ダッシュボードは、ずっと静かだった。

やめなかったのは、信じていたからではありません。数字の見る場所を変えて、Bingの表示回数が少しずつ増えているのを知っていたから。沈黙の下で、水位は上がっていた。それがある月、縁を越えた。

AL

AIO Lab 主筆

広告運用 × データ分析のマーケター(40代・エンジニア出身)

Meta・Google・TikTok広告のインハウス運用が最も得意。ROAS・CPA起点の高速PDCAで伸ばし、広告と検索(SEO・GEO)の両面から集客を設計します。強みはデータの「見える化」——GA4・BigQuery・日次広告レポートで、数字を判断に変えること。大手予約サービスのマーケ部長を経て、現在はD2Cスタートアップでマーケ/データ責任者。複数の自社メディアを運営し、Bing・AI検索の流入を実データで検証しています。数値はすべて実測、出典のないデータは扱いません。運営者について →

AI検索の実践知

AIに見つかる構造を、実データから設計する。

ChatGPTやBing経由で実際に流入を取った一次データから、AIに見つけられるサイトの条件を発信しています。

実証事例を読む 記事一覧へ