ケーススタディ

Googleで平均40位の『問い』が、Bingでは伸び続けている。実測クエリの話

先に結論

自社で運営する占いメディア「VEIL」が、実際にどんな検索クエリで拾われているか。GoogleとBingの両方で実測しました。

見えたのは、ひとつのねじれです。Googleでは平均掲載順位30〜50位(検索結果の3〜5ページ目)に沈んでいる「問い」が、Bingでは直近3か月で約4,500クリックまで伸びていた。 同じ問い、同じサイト。なのに、片方では埋もれ、片方では伸び続けている。

順位を1つ上げることに時間を使うより、問いに正面から答えるほうが効く。その理由を、実データで見ていきます。


Googleで拾われている「問い」── ただし、ほぼ全部が下層

まずGoogle側。Search Consoleで、2026年5月にクリックを生んだクエリを並べます。

検索クエリクリック表示回数平均掲載順位
今日の運勢1061,24236.8
今日の占いランキング9939346.2
今日の占い5344753.4
四柱推命 無料3512029.1
算命学 無料3017917.9
誕生日占い208426.0
生年月日占い155627.8

すぐ気づくことが2つあります。

ひとつ、クリックを生んでいるのは全部「問い」の形だということ。「占い」という単語ではなく、「今日の運勢」「四柱推命 無料」「誕生日占い」。ユーザーが頭に浮かんだまま打ち込む、具体的な問いです。

もうひとつ、平均掲載順位がどれも30〜50位だということ。Googleの検索結果でいえば3〜5ページ目。普通なら、ここまで下がると誰もクリックしません。なのに、毎月100件単位のクリックが付いている。

Googleの中だけ見ていると、「下層なのに少し来ている、不思議なサイト」に見えます。種明かしは、別の検索エンジンにありました。


Bingで拾われている同じ問い ── 3か月で右肩上がり

同じサイトを、今度はBing Webmaster Toolsで見ます。直近3か月の検索パフォーマンスは、こうでした。

Bing Webmaster実測 ── VEIL / masanosuke.net|検索パフォーマンス 直近3か月
合計クリック約4,500
表示回数約63,300
平均CTR7.12%

合計4,500クリック、表示回数6.3万、平均CTRは7.12%。Google側で同期間に取れているクリックの、何倍もの数がBingで動いています。

しかも、止まっていません。日次のクリック数を追うと、期初は1日数クリックだったものが、直近では1日300クリック超まで伸びていました。下がる気配がない右肩上がり。Googleで3〜5ページ目に沈んでいる同じサイトが、Bingの中では着実に存在感を増しています。

そしてGA4で見ると、このサイトの流入の約78%がBing系、約8%がAI検索(ChatGPT・Copilot)でした(4サイトの実測)。BingとAIは参照元を共有しているので、Bingで拾われることは、その先のAIの回答に出ることに直結します。


なぜ、同じ問いで結果が分かれるのか

理由はシンプルです。Googleの上位は、強いドメインが何年もかけて積み上げた場所で、新しい・小さいサイトが割り込むのは難しい。占いのような激戦ジャンルならなおさらです。

いっぽうBingは、Googleほど混んでいません。同じ「問い」に正面から答えるページを置けば、上位に入りやすい。そして今、AI検索の多くがBingのインデックスを参照している。だから**「Googleで勝てない問い」を、Bing経由で拾い直せる**。

ここで効いているのは、順位を上げるテクニックではありません。問いの形でページを用意していたことです。「今日の運勢」という問いに、そのまま答えるページがある。AIもBingも、その素直さを拾います(問いでキーワードを設計する)。


自分のサイトで確かめる

やることは2つだけ。

Google側 ── Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、クエリで並べる。クリックを生んでいるのが「単語」か「問い」か、平均掲載順位は何位かを見る。

Bing側 ── Bing Webmaster Toolsの検索パフォーマンス(キーワード)を開く。Googleで埋もれている問いが、Bingでは上位に来ていないか。

両方を並べたとき、「Googleでは下層なのにBingでは伸びている問い」が見つかったら、それがあなたのサイトの次の主戦場です。順位表だけ見ていると、その問いは一生見えません。

手順の全体像はGEO完全リファレンスに、計測の詳しいやり方はAI流入をGA4で測るにまとめてあります。


よくある質問

Q. Googleで順位が低いと、検索流入は諦めるしかない? いいえ。当社の占いメディアは主要な問いでGoogle平均30〜50位ですが、同じ問いがBingでは直近3か月で約4,500クリックまで伸びていた。Googleの順位が低くても、Bingとその先のAIで拾われれば流入になる。

Q. どんなクエリがBingやAIに拾われやすい? 単語ではなく「問い・意図」の形。当社実測で流入を生んでいたのは「今日の運勢」「四柱推命 無料」のような、ユーザーがそのまま打ち込む問い。その問いに正面から答えるページが拾われる。

Q. 拾われている問いはどこで見られる? GoogleはSearch Console、BingはBing Webmaster Toolsの検索パフォーマンス。両方を並べると、Googleで埋もれている問いがBingで効いているケースが見える。


最後に

順位を追っていたら、たぶんこのサイトは「失敗」に見えます。主要な問いで3〜5ページ目なのだから。

でも、人は来ている。Bingで、AIで、問いに答えるページが静かに拾われている。順位表という一枚の紙の外で、流入はもう動いていました。

AL

AIO Lab 主筆

広告運用 × データ分析のマーケター(40代・エンジニア出身)

Meta・Google・TikTok広告のインハウス運用が最も得意。ROAS・CPA起点の高速PDCAで伸ばし、広告と検索(SEO・GEO)の両面から集客を設計します。強みはデータの「見える化」——GA4・BigQuery・日次広告レポートで、数字を判断に変えること。大手予約サービスのマーケ部長を経て、現在はD2Cスタートアップでマーケ/データ責任者。複数の自社メディアを運営し、Bing・AI検索の流入を実データで検証しています。数値はすべて実測、出典のないデータは扱いません。運営者について →

AI検索の実践知

AIに見つかる構造を、実データから設計する。

ChatGPTやBing経由で実際に流入を取った一次データから、AIに見つけられるサイトの条件を発信しています。

実証事例を読む 記事一覧へ