ケーススタディ

AIに引用された433ページを分解した。引用される記事には「型」があった

先に結論

前回、自社の占いメディア(VEIL)が3か月でAIに約33,000回引用されたことを実数で見ました。今回はその続きです。

「で、実際どのページが引用されているのか」

Bing Webmaster ToolsのAI Performanceには「ページ」タブがあって、Microsoft CopilotなどのAIが、自分のサイトのどのURLを何回引用したかまで出ます。開いてみると、こうでした。

  • 引用対象になっていたのは433ページ
  • トップは「不成就日とは」の1ページだけで約2,500回引用
  • 2位「手相の見方」、3位「MBTI相性一覧」がそれぞれ約1,400回
  • 4位は読み物ではなく、六星占術の計算ツール(696回)

並んだURLを上から眺めると、引用される記事には、はっきりした共通点がありました。ひとつの問いに、1ページで、短く言い切っている。それだけです。

推測ではなく、引用URLの実数で分解していきます。

Bing Webmaster Tools/AI Performance「ページ」タブ(実画面) ── 引用された433ページを引用回数の多い順に並べたもの。トップの/koyomi/fuseijujitsu/(不成就日とは)が2.5K、以下「手相の見方」「MBTI相性」「六星占術 計算ツール」と続く
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceページタブ。masanosuke.netの引用ページが引用回数順に並び、koyomi/fuseijujitsuが2.5K、tesou/mikataが1.4K、mbti/compatibilityが1.4K、rokusei-calculatorが696、以下500回前後のページが続く

再現したリストではなく、実際の管理画面です。


引用された上位ページ。実数で

トップ10を、引用回数とページの中身で並べます。すべて実測値です。

順位ページ引用回数何に答えるページか
1/koyomi/fuseijujitsu/約2,500回「不成就日とは」の定義
2/tesou/mikata/約1,400回「手相の見方」のhow
3/mbti/compatibility/約1,400回「MBTI相性」の一覧
4/rokusei/rokusei-calculator/696回六星占術の計算ツール
5/kusei/kusei-hayami/527回九星の早見表
6/flower/hanakotoba/526回花言葉の一覧
7/bloodtype/ab-type/519回「AB型の性格」
8/tesou/butsugan/421回手相「仏眼」の意味
9/jinja/omikuji-junban/409回「おみくじの順番」
10/tesou/masukake/375回手相「ますかけ線」

数万回の引用が、特定のページに偏っているのが見えます。433ページのうち、上位の十数ページが引用の大きな割合を占めている。どの記事も等しく引用されるわけではない。AIが「使いやすい」と判断したページに、引用が集中していました。


引用される記事の「型」は4つだった

上位を並べ替えると、引用されているページは、おおむね4つの型に分かれていました。

型1:定義「◯◯とは」

トップの「不成就日とは」がこれです。言葉の意味を、1ページで言い切っている。AIが「これは何か」と問われたとき、そのまま回答に差し込める。答えが一つに定まる問いほど、引用は安定して多くなります。

型2:見方・読み方「◯◯の見方」

「手相の見方」「九星の早見表」がこれです。やり方・読み方を、手順や対応表で示している。AIは長い体験談より、手順が箇条書きや表になっているページを好んで引きます。

型3:一覧・比較「◯◯一覧・相性」

「MBTI相性一覧」「花言葉」「エンジェルナンバー一覧」がこれです。項目を網羅して、表や箇条書きで整理してある。「AとBの相性は?」のような問いに、AIは一覧ページから該当行を抜き出して答えます。比較・一覧型の記事がAIに強い理由は別記事でも書きました。

型4:計算・診断ツール

これが意外でした。4位は読み物ではなく、生年月日を入れると結果が出る六星占術の計算ツールです。AIは「あなたの星はこれ」と答えるとき、計算の根拠としてツールページを引いている。実はAIが人を実際に送り込む着地ページでも、このツールが流入トップでした。引用でもクリックでも、機能を持つページは強い

4つに共通するのは、ひとつです。ひとつの問いに、1ページで、短く答えている。あれもこれも詰め込んだまとめ記事ではなく、「この問いには、このページ」とAIがひもづけやすい。引用されたいなら、まずこの形にする。AIに引用される書き方で書いた原則が、引用URLの実数でも裏付けられました。


「手相」だけで6ページ。面で埋めると出典になる

もうひとつ、はっきり出た傾向があります。

引用上位に、手相のページが異常に多い。数えると、ひとつの「手相」というテーマだけで、こうでした。

  • 手相の見方(1,400回)
  • 仏眼(421回)
  • ますかけ線(375回)
  • M字(296回)
  • 金運線(325回)
  • 生活線(233回)

手相というテーマだけで6ページが上位に入り、合計すると3,000回を超えます。トップ単体の「不成就日とは」より多い。

これが何を意味するか。1記事だけ強く書くより、ひとつのテーマを複数ページで面として埋めるほうが効く、ということです。「手相の見方」という入口だけでなく、その下に「仏眼」「ますかけ」「M字」と細かい問いを1ページずつ用意する。すると、AIは手相に関するどんな問いにも、このサイトのどれかのページを引ける。結果として、AIはこのサイトを**「手相のことならここ」という出典**として扱うようになります。

一点突破より、面の網羅。AIに繰り返し引用されているのは、後者でした。


URLが、すでに答えになっている

細かいですが、見逃せない共通点があります。引用されているURLは、スラッグ(URLの末尾)を見ただけで中身が分かる

  • /tesou/mikata/ = 手相/見方
  • /kusei/kusei-hayami/ = 九星/早見
  • /mbti/compatibility/ = MBTI/相性
  • /jinja/omikuji-junban/ = 神社/おみくじ順番

カテゴリと内容が、URLの階層にそのまま並んでいる。意味のない数字やランダムな文字列ではない。AI(とその裏のクローラー)は、URLの構造からもページの主題を読み取ります。何のページかが、開く前から分かる。これも、引用されやすさを地味に支えていました。

(同じサイトでも、/524//455/ のような数字スラッグのページは引用上位に混じっています。スラッグだけで決まるわけではありません。ただ、整ったURLが足を引っ張ることはなく、むしろ主題を伝える助けになっている、という話です。)


正直に:これも「全体の一部」

前回と同じ注記を、今回も置いておきます。AI Performanceの画面には、こうあります。

The data shown below represents a sample of overall activity.(表示データは全体の活動の一部です)

433ページ・各ページの引用回数は、Microsoftが把握している分のサンプルです。全数ではないし、CopilotとそのパートナーAI経由のもので、ChatGPTやGoogleのAI Overviewでの引用は含まれていません。実際に引用されているページは、これより多いはずです。

それでも、サンプルでこれだけはっきり型が出ました。引用が特定のページに偏ること、定義・見方・一覧・ツールに集中すること、テーマを面で埋めると出典化すること。サンプルでも見える傾向は、たいてい全体でも効いている。これは方向を決めるのに十分な手がかりです。


あなたのサイトでも、同じ型は作れる

特別な才能はいりません。引用されていた433ページがやっていたことは、分解すれば手順です。

  1. 狙う問いを、1つに絞る。「◯◯とは」「◯◯の見方」「◯◯一覧」のように、答えが定まる問いを選ぶ
  2. 1問につき1ページを立てる。1記事にあれもこれも詰めない
  3. 見出しを問いの形にし、直後に結論を置く。表・箇条書きで取り出しやすくする
  4. テーマを面で埋める。入口の1ページだけでなく、関連する細かい問いも1ページずつ用意する
  5. URLは内容が分かる構造にする(/カテゴリ/トピック/

そして、自分のサイトが今どう引用されているかは、Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」→「ページ」タブで確認できます。無料です。引用ゼロなら、まずAIクローラーを受け入れる設定から。引用が始まっていれば、どのページが引かれているかを見て、その型を他のテーマにも横展開する。


まとめ

  • AIに引用されていたのは433ページ。引用は特定のページに偏っていた(トップ「不成就日とは」単体で約2,500回)
  • 引用される記事は4つの型に集中:定義「◯◯とは」/見方「◯◯の見方」/一覧・比較/計算・診断ツール
  • 共通点は**「ひとつの問いに、1ページで、短く言い切る」**こと
  • 手相だけで6ページが上位=1記事より、テーマを面で網羅するほうが出典化する
  • URLも内容が分かる構造だった。開く前から主題が伝わるページが引かれていた
  • これらはBing Webmaster Tools「ページ」タブの実測(サンプル値)。順位ツールにもアクセス解析にも出ない

引用回数だけ見て終わらせず、どのページが引かれているかまで開くと、自分のサイトが「何の出典として使われているか」が見えます。その型を真似て横に広げる。それが、AIに引用される一番たしかな道でした。


この記事は、当社が運営する占いメディア(VEIL/masanosuke.net)のBing Webmaster Tools実データ(2026年3月〜6月)をもとに書いています。ページURL・引用回数はすべて管理画面の実測値で、表示はMicrosoftによるサンプルである旨を併記しました。

AL

AIO Lab 主筆

広告運用 × データ分析のマーケター(40代・エンジニア出身)

Meta・Google・TikTok広告のインハウス運用が最も得意。ROAS・CPA起点の高速PDCAで伸ばし、広告と検索(SEO・GEO)の両面から集客を設計します。強みはデータの「見える化」——GA4・BigQuery・日次広告レポートで、数字を判断に変えること。大手予約サービスのマーケ部長を経て、現在はD2Cスタートアップでマーケ/データ責任者。複数の自社メディアを運営し、Bing・AI検索の流入を実データで検証しています。数値はすべて実測、出典のないデータは扱いません。運営者について →

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