ケーススタディ
ChatGPT・Perplexity・Copilot・Gemini、どのAIが一番人を送ってくるか実測した
先に結論
「AI検索対策」と、ひとまとめに語られます。でも実際に人を送ってくるAIには、はっきりした偏りがありました。
自社の占いメディアのGA4で、AI経由の流入をサービス別に分解したら、こうなりました。
ChatGPTが約92%。Microsoft Copilotが約8%。PerplexityとGeminiは、ほぼゼロ。
話題ではPerplexityもGeminiもよく聞きます。けれど、こと「サイトに人を送る」という一点では、ChatGPTの一強でした。対策の優先順位を決めるための実データとして、見ていきます。期間は2026年5月、すべてGA4の実測です。
AI流入の内訳、ChatGPTが9割超
AI経由のセッションを、参照元で分けた数字がこれです。
| AI | セッション | 占率 |
|---|---|---|
| ChatGPT(OpenAI) | 1,967 | 約92% |
| Microsoft Copilot | 179 | 約8% |
| Perplexity | 2 | 0.1%未満 |
| Gemini系 | 1 | 0.1%未満 |
| AI流入 合計 | 2,149 | — |
ChatGPTだけで、AI流入の9割超。Copilotが残りのほとんどを拾い、PerplexityとGeminiは2件と1件。誤差のような数字でした。
念のため、もう1つの自社サイト(宿泊予約系)でも同じ集計をしました。結果は同じ形。AI流入の大半がChatGPTで、PerplexityとGeminiはごくわずか。 ジャンルが違っても、偏りの向きは変わりませんでした。
なぜ、ここまでChatGPTに偏るのか
理由は2つあります。
ひとつ、単純に使われている数が違う。日本で「AIに聞く」と言えば、まだChatGPTが中心です。PerplexityやGeminiは、話題のわりに日常使いの母数がまだ小さい。送客はユーザー数に比例するので、差がそのまま出ます。
ふたつ、AIによって”クリックを送る”挙動が違う。ここは正直に書いておきます。GeminiやGoogleのAI Overviewは、答えをその場に表示して、ユーザーをサイトに送らない「ゼロクリック」型に寄っています。つまり引用はされていても、流入の数字には出てこない可能性がある。送客がゼロ=引用もゼロ、とは限りません(ゼロクリックの話)。
だからこの数字は、「どのAIに引用されているか」ではなく、「どのAIが実際に人を送ってくるか」の実測です。両者は分けて考える必要があります。
では、AIが送ってくる人は「薄い」のか
ここでよく聞く心配があります。「AI経由の人は、答えだけ見て、すぐ離脱するんじゃないか」。数だけ来ても、読まずに帰るなら意味がない、と。
実データで確かめました。参照元ごとに、来た人がどれだけ読んだかを並べます。すべて同じ月のGA4実測です。
| 参照元 | エンゲージメント率 | 平均滞在時間 | 回遊ページ数 |
|---|---|---|---|
| Bing | 74.8% | 3分17秒 | 1.35 |
| ChatGPT | 62.5% | 2分23秒 | 1.81 |
| 56.0% | 1分52秒 | 1.47 | |
| Microsoft Copilot | 47.5% | 2分32秒 | 1.36 |
意外でした。ChatGPT経由の人は、Google経由よりエンゲージメント率が高く、見るページ数も多い(1.8ページ=主要な参照元で最多)。いちばん熱心に読んでいたのはBing。検索の中心であるGoogleが、むしろ一番あっさりしていました。
「AIが送ってくるのは、答えだけ見て帰る薄い客」——その思い込みは、少なくともこのサイトの数字では支持されませんでした。AIは、問いを持った人を、答えのあるページに連れてくる。だから読まれる。
正直に補足すると、ばらつきはあります。ChatGPTの中でも流入経路によって差があり、一部は滞在が短い。それでも全体で見れば、AI流入はGoogle流入に引けを取らない読まれ方をしていました。送客の数(92%)だけでなく、質でも報われている。ChatGPTを優先する理由が、もう一つ増えます。
だから、対策はこう優先する
送客で見るなら、答えははっきりしています。まずChatGPTに見つけられること。 ここに労力の大半を寄せる。
ChatGPTの検索は、Bing系のインデックスとOAI-SearchBotというクローラーを使っています。やることは具体的です。
- robots.txtで
OAI-SearchBotとBingbotを許可する(robots.txtの実物) - Bingにインデックスされている状態を作る(ChatGPTの参照元はBing系が中心)
- 結論先出し・一覧・一問一答で「抜き出せる答え」を置く(引用される文章術)
PerplexityとGeminiは、捨てるという意味ではありません。送客は期待せず、「回答に出典として出ているか」を別の物差しで見る。Bing Webmaster ToolsのAI Performanceや、実際に自分でAIに質問して引用元を確認する。流入で測るものと、引用で測るものを、混ぜない。
よくある質問
Q. AI検索対策はどのAIを優先すべき? まずChatGPT。当社実測でAI流入の約92%がChatGPT、約8%がCopilot、PerplexityとGeminiはほぼゼロ。実際に人を送ってくるのはChatGPTに偏っている。
Q. PerplexityやGeminiは対策しなくていい? 送客は少ないが引用価値はある。Gemini・AI Overviewは答えをその場で出すゼロクリック型なので流入に出にくいだけかもしれない。送客はChatGPT優先、引用は別途確認する。
Q. ChatGPTに見つけられるには? ChatGPT検索はBing系インデックスとOAI-SearchBotを使う。robots.txtでOAI-SearchBotとBingbotを許可し、Bingにインデックスされた状態で、答えが抜き出せるページを置く。
Q. AI経由の人は、すぐ離脱する「薄い」流入? むしろ逆だった。エンゲージメント率はChatGPT経由62.5%でGoogle経由56.0%を上回り、回遊ページも1.8と主要参照元で最多。最も熱心なのはBing経由。AIは問いを持った人を答えのあるページへ運ぶので読まれやすい。
最後に
「AIに引用されよう」と言うとき、頭にはPerplexityの綺麗な出典表示が浮かびがちです。でも自分の数字を開いたら、人を運んできていたのは、ほとんどChatGPT一人でした。
話題の量と、送客の量は、違う。どこに労力を置くかは、自分のGA4が教えてくれます。